【映画】たそがれ清兵衛 / 2002年

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たそがれ清兵衛こと、井口清兵衛は海坂藩の下級武士で、

仕事が終われば仲間の誘いも断り、帰宅するのだったが、それらはすべて家族のため。

妻を労咳(肺結核)で亡くし、葬儀代もままならぬ中、

幼い娘、長女の萱野、次女の以登を養い、年老いた母を抱え、

逆に言えば、帰るしかない環境だったと言えそうです。

 

主人公はもちろん真田広之さん演じる井口清兵衛ですが、

もう一人、第二の主人公ではないかと思われる人が存在します。

それは次女の以登、後の彼女のナレーションがそこここに挿入され、

過去を思い出すかのような、どことなく懐かしさを感じる口調がすごく印象的でした。

 

そして忘れてはならないのが、朋江の存在、

後にも先にも彼女なくしてこの物語は成立しません。

 朋江も一度嫁いだものの、嫁ぎ先に恵まれず離縁、

清兵衛も妻を亡くし、お互い今でいうバツイチ同士で再開、

幼馴染であることから・・・何故最初からこうなっていなかったのかが謎ですが。

 

さすが山田洋次監督作品らしく、どこかほっこりとした雰囲気で、

厳しさの中にも家族の絆を大切にした人情劇となっていました。

個人的にはネコとかイヌとか動物を登場させるともっとよかったかなとも思いました。

あと真田さんですから、キレのいいアクションも見たかったですね。